大学生における被服行動と時間的志向性との関連性について

摘要

男女，大学生131名を対象に被服行動と時間的志向性との関連を検討した．因子分析により，被服行動は，「流行志向性」「機能性重視」「品質重視」「TPO重視」の4つの行動次元を，時間的志向性は，「現在主義」「刹那主義」の2つの志向性の次元をそれぞれ抽出した．被服行動と時間的志向性との関連を分散分析により検討した結果，女性のほうが男性と比して，刹那主義の時間的志向性をもつものほど，流行を志向していた．女性のほうが被服を購入する際，値段の安さよりも品質のよさを重要であるととらえることが示された．現在主義を高く示すものほど品質，TPOを重視していることが示された．さらに，ファッション費，友人との付き合い費を規定する被服行動を重回帰分析によって検討した結果，流行を志向し，品質を重視するものほど多くのファッション費をかけて生活していることが分かった．また，被服行動において流行志向性を示しているものほど友人との付き合い費に多く費やしていた．