亜熱帯島嶼環境である沖縄における赤外線調査の有効性について

摘要

コンクリート部材の損傷である「うき」の検出において，従来技術である打音検査の省力化技術として赤外線カメラによる非破壊検査（以下，「赤外線調査」）が挙げられる．赤外線調査は対象部材内の健全部と欠陥部の温度差を検知することで損傷を検出するため，外気温の日較差が小さい沖縄では検出が困難とされている．また，亜熱帯気候の強い日照の影響により温度差が生じ，検出可能となることも考えられるが，十分な知見は得られていない．そのため，本稿では，亜熱帯島嶼環境である沖縄に架かる実橋を対象に，熱環境測定および赤外線調査を行い，その有効性について検証した．