プローブデータによる豪雨災害時での主要道路の自動車交通状況分析

摘要

本研究では豪雨とそれに伴う道路冠水の，また降雨による土砂災害の交通への影響の分析を行った．まず，豪雨によって周辺道路の車の走行速度が低下することによる渋滞に加え，従道路が冠水することによって，国道など主要な道路へ車が流入し，さらに大きな渋滞となることが分かった．また，降雨により高速道路上で土砂災害が発生することで，並走する幹線道路へ車が流入し急激に渋滞が進むことや，IC 間の経路選択に偏りが出ることで所要時間に差が生まれることが分かった．この逆においては，リアルタイムな所要時間情報の伝達により，経路選択を分散させることができれば，一定の所要時間の短縮を見込めるといえる．また，高速道路上での土砂災害に遭った車は，U ターンのため，3 時間程度待たなければならないことも分かった．今後は，今回分析した国道の従道路や，車両ごとの挙動などの分析が必要である．