軸力および曲げ応力下での酸化物分散強化白金-10 ロジウム合金の高温疲労特性

摘要

白金は，燃料電池の電極や自動車の排ガスに含まれる有害物質を取り除く触媒など幅広い用途に用いられてい る.一方ガラス産業においても，高温で溶融したガラスに対して優れた耐食性を示すことからガラスの生産ラ インに多く用いられている.また，近年ではガラスの用途拡大に伴い更なる高品質なガラスの開発が求められて いる.このようなガラスの製造のためには，ガラス生産工程の中でも白金製容器内で溶融ガラスを攪拌する工程 において，そのスターラーの回転数を増加させる必要がある.そこで，ガラスの生産ラインでは現在，このよう な高温環境で従来のものより高強度な白金にジルコニゥム酸ィヒ物などを添加した酸化物分散強化白金合金が開発 され多く使用されている.その一方で，白金は非常に高価であるため生産コストの面からもその寿命改善および 寿命予測の必要性は大きい.しかしながら，溶融ガラスの内圧による軸力やスターラーの回転による繰返し曲げ 応力が攪拌工程に用いられる白金製容器の寿命に及ぼす影響は明らかにされていない.