二酸化マンガンを用いた同時脱硫脱硝とプラズマ支援による性能向上に関する研究

摘要

ディーゼルエンジンは低燃費で高トルクが出せるた め，大型船舶や農耕機の大部分で利用されている．し かし，燃焼機構の特徴から多くの窒素酸化物 NOX や 硫黄酸化物 SOXが排出される．この環境汚染物質は肺 気腫や光化学スモッグの原因となることから世界規模 で規制が強化されている．そのためディーゼルエンジ ンの更なる利用拡大のためには，これら環境汚染物質 の浄化の達成が必要不可欠である．これまで二酸化マ ンガン MnO2を担持した脱硫フィルターを用いて移動 体搭載に向けた SOX浄化技術の確立を目指してきた． しかし現状では NOx や SOx の吸収性能は低いという 問題がある．そこで更なる浄化性能に向けて排ガスに 大気圧プラズマを重畳させることで生成する非平衡反 応場を応用した浄化プロセスを提案する．既往研究で， 排ガスにオゾンを添加することでSO2およびNO2の浄 化性能が向上することやSO2だけでなくNO2も浄化可 能であることを実験的に明らかにした．本研究では大 気圧非平衡プラズマ支援 MnO2フィルターの基礎研究 として，二酸化マンガン粒子にプラズマ放電を重畳さ せることが脱硫，脱硝性能に与える影響を実験検討し た．