ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いた緑内障点眼薬の電気化学測定

摘要

点眼薬の眼内移行において、角膜の透過性が重要な因子となる1。しかしながら、薬が角膜を通過し、前房内に到達するタイミングおよびそこでの濃度変化は正確に知られていない。そのため、眼内での薬物濃度の移り変わりを経時的に観測する手法が求められる。そこで、耐久性や生体適合性などにおいて優れた特性を持つホウ素ドープダイヤモンド (BDD) を用いた電気化学的手法に着目した。本研究では、緑内障点眼薬の一つであるチモロールマレイン酸 (TMA) をターゲットとして用い、その基礎的な電気化学特性を評価するとともに、豚眼から摘出した角膜を利用したTMA の電気化学測定を行った。