緩効性肥料として安定化処理を施した木質バイオマス燃焼灰の溶出特性

摘要

エネルギー生産を目的とした木質バイオマスの燃焼利用量が増加し、燃焼灰活用法の確立が課題となっている。木質燃焼灰の利用法の1つとして肥料として土壌に還元する取組みがあり、生産現場の地力維持という観点から注目されている。しかし、木質燃焼灰にはカリウムなど易水溶性の化合物を形成する元素が多く含まれており）、施用量に注意しない と「高アルカリ化」や「塩類集積」など生産性に悪影響を及ぼす可能性も考えられる2）。そのため還元量を多くするには安定化処理を施し溶解量を抑制する必要がある。