結晶粒内方位差による連続繰り返し曲げ加工されたCu-Ni-Si合金の応力緩和過程の解析

摘要

輸送機器電装品用銅合金ば小型化?多機能化?高性能化が求められ、材料の特性向上が図られている。特に、通電部材では接点における信頼性の観点から耐応力緩和特性がもっとも重視されている。多くの実用銅合金は析出強化合金であり、その耐応力緩和特性に及ぼす析出の影響が重要となる。一方、著者らは組織変化を伴い複雑となる連続線り返し曲げ加工（Continuous Cyclic Bending；以下CCBと略記することがある）1〉2）された材料の応力緩和特性を調べてきた。著者の一部は既報において連続線り返し曲げ加工された析出強化Cu－N－Si合金の応力緩和過程は結晶粒内方位差KAM値の変化として捉えることができることを報告した細。本研究では、応力緩和過程を、（Ⅰ）無負荷、（Ⅱ）応力負荷、（Ⅲ）応力緩和、（IV）除荷の4段階に分けて捉え、連続線り返し曲げ加工を施したCu－Ni－Si合金の応力緩和過程を結晶粒内方位差の変化により解析した。