風化花崗岩類を基礎地盤とする地域における橋梁計画に関する留意点

摘要

本文は，風化花崗岩類を基礎地盤とする地域における橋梁計画の留意点について，建設工事の不具合事例1)などを検証のうえ考察を行うものである．花崗岩類（granitoid）は，花崗岩の他に花崗閃緑岩や石英閃緑岩など，花崗岩から閃緑岩の中間に近い組織や性質を持つ深成岩の総称で，地殻上部を構成する主要な岩石として，図１に示すように日本列島に広く分布している．また，花崗岩類は，大陸地殻（深さ5～30km）のマグマ溜まりが冷却，固化したものであるが，地表付近に隆起して浸食を受ける場合，他の岩石と比較して風化が速いことが知られており，深層風化により“マサ化”する特徴を有している．この深層風化では，花崗岩類を形成する鉱物のうち，ぜい弱な長石や雲母が急速に粘土化，細粒分化するが，石英は抵抗性が高く核となって残留するため，当該地域の橋梁計画においては地盤の変形特性の評価が課題となる。