環境低負荷Mg2Si 熱電材料のためのNi 基合金電極の探索

摘要

Mg2Si は資源が豊富で毒性の無い低環境負荷な中高温度域対応の熱電変換材料である。車載といった応用 に向けては、熱電素子を直列接続したモジュールの構築が必須であり、素子間を低電力損失で接続する電極 形成技術が求められる。しかし、Mg2Si の内部抵抗に対して十分に接触抵抗率が小さく（< 0.01%）、且つ実使 用環境下で長時間に渡る耐久性能を持つ電極形成に関する報告は殆ど無い。我々は、これまでに一体焼結法 により10~(-9) Ω m~2 程度の比較的に低抵抗率なNi 電極形成を得ていたが、Mg2Si の最適焼結温度でのプロセス となるために、使用可能な電極材料が限定され更なる低低効率化が困難であった。また、大口径試料作製に おいては、Mg2Si とNi との線熱膨張係数差により、電極にクラックや剥離が生じるといった問題もあった。 そこで本研究では、電極材料とMg2Si 間の接触抵抗低減に向け、大口径試料にも対応可能なペースト印刷法 を用いて低抵抗Ni 基合金電極について調べた。