CO2分離膜への応用を目指したイオン液体含有無機／有機 double networkゲルの開発

摘要

イオンゲルは室温溶融塩であるイオン液体を含有す る高分子ゲルであり 1) 、イオン液体由来の不揮発性、 高い熱的安定性、高い CO2溶解性などの性質とゲルの 準固体的な物性を併せ持つ。これらの性質から、イオ ンゲルはガス分離膜や二次電池の電解質などへの応用 が期待されている。しかしながら、既往のイオンゲル は機械的強度が低く、実用化に十分な機械的強度を担 保させるには多量のゲルネットワークが必要であった。 ゲルネットワークは強度を担保する一方で、ゲル内で 拡散抵抗として働く。したがって、多量のゲルネット ワークはイオンゲル内の拡散性を著しく低下させ、イ オン液体由来の高い CO2透過性能を制限する。そこで 本研究では、イオンゲルの高強度化によって高 CO2透 過性を有するイオンゲル膜の開発を試みた。