細胞と細胞外マトリックスの相互作用が筋分化と人工筋 組織張力に与える影響

摘要

細胞外マトリックス（ECM）は細胞外環境を司 る重要な因子の一つであり、細胞接着や組織形態をサ ポートする役割だけでなく、インテグリンと呼ばれる 細胞膜タンパク質と接着することで細胞の増殖、分化、 シグナル伝達などに影響を与え、細胞挙動や運命決定 において様々な役割を果たしていることが明らかに なっている(1) 。インテグリンには様々なサブタイプが存 在し、中でも α7β1は骨格筋や心筋細胞表面に存在する 受容体(2) であり、本研究ではこのサブタイプを発現する マウス骨格筋芽細胞（C2C12細胞）を用いて、ECM が 遊走や筋分化に与える影響を評価した。さらに低分子 化合物を用いることでインテグリン発現を調整し、細 胞-基質間相互作用が骨格筋分化および人工筋組織張力 に与える影響を検討した。