非平衡状態を活用したVO_2相転移トランジスタの急峻スイッチング動作

摘要

材料はしばしば金属絶縁体転移や分極反転に代表されるように温度や外場に対して1次相転移を示し、物性値を不連続に変化させる。従って1次相転移を利用すれば、電気?磁気?熱特性に対して急峻なスイッチング素子が実現できると考えられる。実際に1次相転移に基づくスイッチング素子として、磁気トンネル接合、負性容量素子、モットトランジスタ等の様々なデバイスが作製されてきた。しかし現実の1次相転移では、しばしば2つの相がドメインを形成して共存するため、マクロな物性値は連続的にしか変化しない。従って急峻なスイッチング動作を実現するためには、試料を微細化して単一ドメインで相転移を引き起こすしかなく、デバイス作製上の大きな制約となってきた。