7075アルミニウム合金多軸鍛造材の機械的特性と組織

摘要

Al合金は、軽くて強い高比強度材料であるため自動車や高速鉄道車等の輸送機器分野での需要が高い。Al合金の中で代表的な高強度材料である超々ジュラルミンA7075合金は人工時効処理により570Mpaもの引張強度を有するが、応力腐食割れの発生など耐食性に劣るため、過時効処理など強度を犠牲にした調質が行われる。［1］また、高圧ねじり加工（HPT)などの巨大ひずみ加工によるさらなる高強度化が試みられており、人工時効と合わせて930MPaもの引張強度を達している。［2］しかしながら、巨大ひずみが導入されたA7075合金の長期間時効による機械的性質や組織変化などについて報告はほとhど無い。