ルテニウム系触媒を用いた藻類由来の重質炭化水素の水素化分解

摘要

現在，液体燃料の多くは石油資源に依存しており， 石油の枯渇や地球温暖化への懸念から，再生可能資 源への転換が求められている．再生可能資源の中で も特にバイオマスが注目されており，その中でも藻 類バイオマスへの期待が高まっている．藻類の作るバイオマスは含酸素のトリグリセリド，多糖，アミ ノ酸などがあるが，炭化水素を産生する藻類もいく つか存在し，石油との類似からそれらの利用が期待 されている．藻類由来炭化水素としてはスクアレンやボトリオコツセン（Fig．1）があり，特に後者は光合 成により生産されるため，カーボンニュートラルな燃料として期待されている．しかし，Fig．1のように 藻類炭化水素は重質相当のため低分子化が必要であ り，また側鎖が多い点で石油と異なるため，異なる改質技術が有効となる可能性がある．