超音波ショットピーニングされたβ型チタン合金の高サイクル疲労破壊における内部き裂起点のEBSD援用フラクトグラフィ

摘要

チタン（Ti）合金の結晶は，添加元素や熱処理などにより，六方最密充填（HCP）のα相あるいは体心立方（BCC）のβ相をとる．β相を主とするβ型Ti合金は，熱処理によって高い強度が得られ，弾性率を比較的低く調整することも可能であるため，インプラント用の医療材料としても有用である．医療用人工骨なども含め，構造材料は高い疲労強度を持つことが望ましい．疲労強度を向上させる表面処理としてショットピーニング（SP）がよく用いられる．本研究では，超音波を駆動源とする超音波SP（USP）を施したβ型Ti 合金を用いて回転曲げ疲労試験を行い，高サイクル疲労挙動を調査した．さらに，電子線後方散乱回折(EBSD）援用フラクトグラフィを行い，高サイクル域で観察された内部起点型破壊の発生機構を検討した．