溶融スラグ骨材を用いたモルタルにおけるポップアゥ卜の発生に関する検討：(その2石灰石の焼成温度がポップアウトの発生に及ぼす影響）

摘要

焼成温度および焼成時間を変化させ生成した焼成石灰を使 用した本実験の実験結果から次の知見が得られた。 (1)焼成石灰の焼成温度650，750，850，950および1050°Cで 60分間，850°Cにおいては焼成時間を30および120分間焼 成し，生成した焼成石灰を混入したモルタル供試体に関し 　てPOの発生は確認できなかった。 (2)吸湿率は,焼成温度が高く，焼成時間が長くなると増大し 　た。 　以上より，生石灰の骨材への混入量だけでなく，含有する 生石灰の反応速度が遅いことなどがPOを発生させる条件に なると思われる。ただし，一般的な溶融スラグを副産する溶 融設備では生石灰の焼結が進むほどの高温は持続されないた め，溶融スラグに含有する生石灰の反応速度がPOを発生さ せるほど遅くなる要因は焼結でないと考えられる。今後は， 生石灰の反応速度に影響する要因に関する検討が必要となる。