窓断熱改修による温熱環境改善および冷暖房エネルギーの削減: 冬期の実測結果および室温解析による検証結果

摘要

内窓の効果を検証するために大学内の2 室に窓改修を 行い、冬季において内窓撤去前後の温熱環境を測定した。 内窓撤去後、エアコンの消費電力にはあまり変化がなく、 外気温は上昇したが室温は下がった。内窓撤去による断 熱性の低下のためと考えられる。解析においては、内窓 の有無により窓面の熱貫流率?日射透過率を変化させる ことで解析値が測定値に近づいた。アンケートでは、内 窓撤去後に快適と回答した人が約1/3 いた。これは室B の エアコンの設定温度が高すぎ、内窓があるときには暑い 空気がこもっていたことが原因と考えられる。一方、窓 面付近では内窓撤去後には寒くて不快になったという回 答であった。どちらも内窓の断熱性に起因するものと考 えられ、主観申告でも内窓による断熱性が明らかと言え る。