高効率な制振システムを採用した超高層建物の地震応答制御設計その３ 壁連結制振システムによる応答制御効果

摘要

本体建物とアウトフレーム耐震壁を制振装置で連結す るCWDS を採用した建物について、地震応答解析を行い 高い応答制御効果が得られることを確認した。また、下 記の知見が得られた。 (1)CWDS 部制振装置を履歴系制振装置とした場合、粘性 系制振装置とした場合と比べて、上層階のムチ振り現象 が顕著にみられた。 (2)本体建物―アウトフレーム耐震壁間の制振装置の減衰 係数Ch をパラメータとし、多質点系モデルの地震応答 解析を行うことで、CWDS における適切な減衰量を設 定することができた。 (3)CWDS の減衰量が過大となった場合、ムチ振り現象に より本体建物上層の応答が大きくなることが確認された。 (4)アウトフレーム耐震壁のせh断力は、本体建物とアウ トフレーム耐震壁を結ぶ制振装置の減衰係数Ch が支配 的であることが確認された。 (5)建物全体の吸収エネルギーのうち、66％程度を制振装 置で吸収している。そのうち60％程度をCWDS で吸収 しており、一般的な制振部材を層間に取り付ける方法に 比べCWDS の高いエネルギー吸収効果が確認された。