国産材を用いた面格子耐力壁の性能向上に関する研究:ジベルの有効性の確認と面格子壁剛性算定式の提案

摘要

木造格子は町家建築の伝統的な仕様であり、これを耐 震要素として活用することで景観に配慮した補強が可能 となるため近年注目を集めている。2003 年には、国土交 通省告示1 既報 が改正され、仕様に応じて面格子耐力壁に壁倍 率が与えられたが、面格子の壁倍率は最大1.0 と石膏ボー ドと同程度であり、評価値が低い。これは、面格子は木 材を相欠きに組み合わせることで、両者のめり込みによ って耐力を発揮するため、非常に粘り強い性状を示すも のの、初期剛性が低いためである。