高強度CFT 柱の構造性能に関する研究その4 高強度円形CFT 柱の実験結果

摘要

高強度円形CFT 柱，プレーンコンクリート柱及び中空 鋼管実験結果から以下の知見が得られた。 ①プレーンコンクリート柱試験体では，全ての試験体に おいて同様な剛性を維持しながら最大耐力点に達し， その後急激に耐力を喪失した。 ②中空鋼管試験体２体は，同様な剛性を維持しながら降 伏強度に達し，その後も一定の傾きで耐力が上昇した。 ③高強度円形CFT 柱は，降伏後も徐々に耐力を上昇させ ながら最大耐力点に達した。最大耐力点到達後は，急 激な耐力低下を起こすことなく軟化曲線を描いた。ま た，径厚比が小さくなるごとに軸圧縮耐力，最大荷重 時のひずみを上昇させ，円形鋼管においては，鋼管の 拘束効果が大きく働くことが分かった。寸法の増大に よらず一定の軸圧縮耐力を保つことが分かった。 ④550N/mm2 級鋼管を使用した試験体では，鋼管の降伏が 先行するため，充填コンクリートの局所的な圧縮破壊 による荷重停滞が生じた。しかし相互拘束効果によっ て耐力は再度上昇し，以降は780N/mm2 級鋼管の場合と 同様の挙動を示した。 ⑤CFT 柱と累加値の比較から，CFT 柱は初期状態におい て充填コンクリートと鋼管に相互関係はなく，充填コ ンクリート破壊後に相互拘束効果による耐力上昇が起 こることが分かった。最大耐力点到達後は，鋼管が局 部座屈的な挙動を示し，荷重が徐々に低下した。