キングポストトラスの構造模型を用いた教育効果に関する研究

摘要

建築構造カ学で出て来るトラス構造は、多くの学生が sin、cos に悩み、各節点での釣合条件式を立てるのがまま ならない。数学で習ったはずのsin、cos が巧く使えない のである。ならば、節点法よりもクレモナの図解法の方 が分かりやすいのかもしれないが、外部領域や内部領域 の記号と、各節点での記号の読み方などの約束事を覚え るのが難しく、その結果、トラスの解法は不得意だとい う学生が多い。その様な中、sin もcos も使わず、各節点 でカの示カ図が閉じることだけを用いて解けるようにし たのが単位トラスの構造模型である。引張材に曲がるス トローを使用しており、その引張材に引張カが生じたと きに曲がるストローの蛇腹が伸びることで引張応カを確 かめることができるようにした。前報１）では、この単位 トラスを２つ連結しただけのトラス構造模型を取り上げ たが本研究では、それをさらに進め、もう少し複雑な部 材数の多いキングポストトラスのオリジナル模型を作り、 学生自身の手で載荷試験することによって、カの流れを 理解し、トラスの圧縮材と引張材を自分の手の感覚と視 覚により感じ取ってもらい、部材数が多い場合でも、学 生にトラスの仕組みを理解してもらうことを目的とする。