デジタルハンドとプロダクトモデルとの統合によるアーゴデザイン支援システムの開発（第5報）─計測データの分析に基づく把持容易性推定手法の開発

摘要

本研究は，上述の機能要求を満たし，デジタルハンドを用いて情報機器製品の仮想エルゴノミクス評価を行う「アーゴデザイン支援システム」の開発を目的とする．前報まで[2]に，従来研究では行われていなかった，UI 操作を考慮した基本把持姿勢を対話入力にもとづき自動生成し，製品形状モデルの把持安定性をForce-closure とGrasp Quality を用いて定量的に評価する機能を実現し，その結果の妥当性を実験的に確認した．しかしながら，より人間の「持ちやすさ」の感覚に近い指標を得るためには，把持時の手指の角度を考慮した把持容易性の評価が不可欠である．そこで本報では，そこで本報では、人間の製品把持時の手指関節角度の計測データにもとづき，デジタルハンドによる把持状態の把持容易性を三段階で推定可能な手法を開発したので報告する．