化学発光分光法による燃焼診断における背景光の影響を除去する手法についての検討

摘要

近年，環境問題やエネルギー問題が世界各国で浮き彫りになつており，熱機関に対しても高負荷，高効率化及び環境低負荷化が求められている.これらの要求に対する有効な手段として，混合気の希薄ィ匕が挙げられる.しかし，希薄燃焼下においては燃焼促進が必要不可欠である.この燃焼促進に関しては乱れによる燃焼促進が有効な方法であると考えられるが，この乱れによる燃焼促進効果には限界がある.その原因の一つとしてあげられるのが，火炎伸長による局所的な消炎である.局所的な消炎現象を計測するために，矢能らの研究のによって，カセグレン光学系を用いた化学発光分光法により火炎の局所的な火炎温度及び当量比を推定する手法について検討された.しかし，カセグレン光学系は，光路上の全ての光を計測するため，背景光の影響を除去することが望ましい.特に乱流予混合火炎では，様々な方向から火炎が計測点を通過するために，背景光の影響を除去することが必要不可欠である.