スライディングモード制御則を用いたキャスタワゴンの地震応答抑制

摘要

日本は世界有数の地震大国であり，今日までに多くの地震が発生し，多大なる被害が発生してきた．病院などの医療現場においても被害が報告されており，阪神?淡路大震災では35 %の病院で患者監視装置の転倒が起こった．また，東北地方太平洋沖地震においては地震対策を行っていないRO 供給装置の移動による損壊率は25%であった．このような背景から地震時において医療機器の移動?転倒を防止することが必要とされている．一般的に人工呼吸器，血液透析器などの中型の医療機器には移動用のキャスタが取り付けられているものが多く，キャスタをロックする方法が対策として有効である．しかし重心が高い位置にある機器は，揺れが大きい地震時では転倒する可能性がある．また，キャスタをロックしない場合では，ベッドや他の機器や壁面に衝突する可能性がある．