近年,システムのモデリングとモデルベース制御の研究が活発に行われている.その背景として,モデルを用いたシミュレーションを軸に開発を行うModel Based Development (MBD)が産業界において多用されるようになったことが挙げられる.MBDは,モデルが実際の製品のダイナミクスを高精度に模倣しており,かつそれに対する制御器設計やシミュレーション結果が実システムにおいて再現されることを前提としているが,一般に非線形性を含む実システムのモデリングは困難な作業であり,従来手法では,それを回避するための線形近似等を用いるため,得られたモデルに誤差が含まれ,結果的に制御性能の劣化も引き起こす原因にもなっている.このモデル化誤差そのものを別のLPVシステムとしてシステム同定により導出し,さらに補償入力を設計する手法が金井らにより提案された甘本研究はこの手法を基礎として,より実用的な制御課題である出力追従問題を扱う.また基底関数では表現できない確率外乱がシステムに影響する場合も考える.
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