小型ヘリADS のための吹き下ろしの計測装置及びニューラルネットによる推定器の開発

摘要

現在, 小型無人ヘリの自動飛行に用いる, 機体の位置?速度等を推定する航法としては, 全地球航法衛星システム（ Global Navigation Satellite System,GNSS）と慣性航法装置（Inertial Navigation System,INS）を組み合わせたGNSS/INS 複合航法が広く用いられているが, これはGNSS におけるマルチパス等の影響による計測精度の不安定さから信頼性に欠ける. したがって, GNSS/INS 以外のセンサを用いて速度情報を推定する手法が求められている. その他に機体の速度を推定する手法として機体の対気速度を計測するエアデータセンサ(Air-Data Sensor, ADS)が挙げられる. そこで, 著者らは小型無人ヘリで用いるための軽量なADS の開発を進めている. ただし,このADS は機体への取り付け位置の制約上, メインロータの吹き下ろしの影響下に設置されており, センサで計測される流速には吹き下ろしも含まれる.つまり, 機体の対地速度と大気擾乱速度の和である機体対気速度を得るには吹き下ろしの影響分を差し引く必要があり, そのためにはADS 設置位置におけるヘリコプタのメインロータ吹き下ろし流速を推定する必要がある.