パワーアシスト装置を構成するアーム部リンク機構の最適化

摘要

人の筋力や動作を補助するための機器として，パワーアシスト装置の開発が行われている．パワーアシスト装置には，身体に装着して人の動作を補助するものと，装着はせずに装置が保持しているものを人と協調して操作するものがある．これらの装置は高齢者の生活支援や重労働である介護作業の負担軽減，あるいは工場等での重量物の運搬，作業の効率化などに用いられている．しかし，従来のパワーアシスト装置では，人や物を広範囲に運搬する際にはバックドライブ性，および本質的な安全性に問題がある．本研究ではこれまで，パワーアシスト装置を構成する安全性を高めたアーム部リンク機構の開発を行ってきた．しかし，開発したアームには重量が大きい，アームの制御に必要なトルクが大きいためアクチュエータが大型化するなどの問題があった．そこで本研究では，開発したアーム部リンク機構にミニ·マックス形非線形最適化手法を適用し，軽量化と制御トルクの減少を図る．