無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用いたガラス繊維強化ポリプロピレンの長期耐久性評価II

摘要

近年，給湯暖房機器の温水通路に使用される機能部品のケーシングは金属材料から安価で軽量なプラスチック材料へと代替が進hでいる.しかし，プラスチック材料は温水環境下に曝されることで，特に初期強度が大幅に減少(約1/3) することが知られており，その原因は解明されていない.そのため，特に内圧が加わり，比較的高温下で使用される部位には，強度や耐熱性に優れたガラス繊維強化エンジニアリングプラスチック(GFRTP)が使用されている.その母材樹脂にはポリフェニレンサルファイド（PPS)が使用されており，更に使用想定環境に対して約2倍の安全率が見積もられ設計されている.初期劣化を防ぐことができれば更に安価なプラスチックで代替が可能になると考えている.そこで本研究では，母材樹脂としてポリプロピレン（PP) を使用し，初期強度低下要因と考えられるガラス繊維（GF)との界面接着性の向上のために相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレン（MAPP)を添加したガラス繊維強化ポリプロピレン（GFPP)の試験片を作製した.MAPPの種類と添加量を変えたGFPPの試験片に対して温水環境下で加速劣化試験を行い，物性への影響を検討した.