大規模環境の統合点群モデルの自動生成(第三報)－点群ペア位置合せとマッチ判定による複数点群の完全自動位置合せ

摘要

中·長距離3 次元レーザ計測技術の進展に伴い, 建設物や市街地などの大規模環境の3 次元計測点群の入手が容易になってきている．現在, TLS やMLS, ALS, ハンディタイプスキャナなどの様々な計測方式が利用可能であり, 同一の建設物や環境を計測した, 計測範囲や密度の異なる複数の点群が取得できるようになっている．そのため, これらの複数点群を統合した点群モデルを用いて, 建設物や環境の高精度なモデリングや各種シミュレーションを実現することへの要求が高まっている．本研究では, 同一建設物や環境の複数計測点群データから, 大規模環境の統合点群モデルを自動で生成することを目的とする．このためには, 計測された点群を効率良くレジストレーションする手法, ならびに点群同士が合致するか否かを判断するマッチ判定手法が必要になる．本報告では, 複数のTLS 点群間の効率的な自動レジストレーション手法を提案する．本手法は, 既提案手法による点群投影画像に基づくペアレジストレーションとマッチ判定を反復的に行うことにより, 複数点群のレジストレーションを実現する．本手法は, 点群のおおよその位置関係や重複度などの事前の知識を要さずに, 完全自動で効率よくレジストレーションできることが特徴である．