差動ボールねじを用いたミリストローク超精密位置決め（ステッピングモータ駆動による同軸二重差動ボールねじの位置決め性能）

摘要

本研究では，最大1 mm 程度のストローク（“ミリストローク”）に対してナノメートルレベルの分解能を持つ位置決め機構を，差動ボールねじを用いた簡便な機構により実現することを目的としている．これまでに，直列型差動ボールねじに関しては誤差の同相成分除去と高分解能化への効果が期待できたが，装置全体が長大になるという欠点があり，機構のコンパクト化が課題としてあげられた．そこで前報では，わずかにリードの異なるボールねじを同軸上に二重に配置した同軸二重差動ボールねじを提案し，機構の試作を行った．本報では，試作した同軸二重型差動ボールねじをステッピングモータで駆動する位置決めシステムを構成し，その送り性能と位置決め性能を実験により詳細に検討する．