2組の穴とボスとを用いた位置決めによる組立ばらつきの解析（第3報2つのボスの距離が変化した場合の組立ばらつきの変化）

摘要

機械の組立時の位置決め方法には，穴と長円の穴とを用いた位置決め方法や，2組の穴とボス（ピン）とを用いた位置決め方法がある．これまで，これらの位置決めの時の組立ばらつきの生じうる範囲（運動範囲）を明らかにしてきた1）～4）。2組の穴とボスとを用いた位置決めは，穴と長円の穴とを用いた位置決めと異なり，2つのボス（あるいは穴）の間の距離にばらつきが生じた場合に，すきまがなくなって，組立てできなくなる可能性がある?この問題は，ASMEの位置度公差の式を用いれば解決できやがプこれを逆手にとって，組立ばらつきの少ない組立品を実現できる可能性がある．穴とボスのサイズ公差を厳しくして組立ばらつきを減らすことには加工上の限界がある．よって，このことは，すでに産業で実施されているかもしれないが，工業的な有用性をもたらす可能性もある。