自己組織化による3次元微細周期構造形成のための微小パーツの作製

摘要

自己組織化プロセスは，マイクロからサブミクロン周期の構造体作製に有望であり，3次元周期構造形成プロセスとして注目されている．近年，微小球による自己組織化を用いて周期構造を持つ構造体が作製され，フォトニック結晶やプラズモニック結晶などの周期構造の光学機器への応用が進められている．立方体などの非球体形状の微小なパーツを用いた自己組織化による周期構造を持つ構造体は，球体と比較してより密な構造を形成できるため大きな屈折率を得ることができ，光学機器への応用に有用であると考えられる．しかしながら，非球体形状の微小パーツは作製が困難であるため，これらの自己配列を利用した周期構造作製の研究はあまり報告されていない．本研究では，紫外から近赤外光において高い透過率を有するポリジメチルシロキサン（PDMS）を用い，10μmサイズの立方体微小パーツを作製した．PDMS微小パーツは，リソグラフィと紫外線オゾン処理を用いて作製された．最後に，作製したPDMS微小パーツを用いて，自己組織化による微小パーツ配列の初期検討を行った．