面圧分布センサを用いた肺癌触診デバイスの開発

摘要

日本における死因で最も多く，約30%を占めるのが癌であり，癌死の中で最も多く約20%を占めるのが肺癌である．肺癌では一年間に7 万人近くが命を落としており，その数は毎年上昇傾向にある．肺癌の診断では，エックス線透視像やCT 等を用いて癌の疑いがある部位を調べ（スクリーニング），その細胞の一部を採取し病理検査することにより癌であることを確定し（確定診断），外科的治療を行うか，化学療法や放射線·粒子線療法を行うか（あるいは併用するか）を決定する．外科的治療には大きく2 種類あり，胸を切り開いて癌を切除する開胸手術と，胸に直径10mm 程度の穴を数箇所開け，胸腔鏡や鉗子を入れて癌を切除する胸腔鏡下手術がある．近年，患者の身体的負担，特に高齢者の方の体力的な問題，そして美容的観点からも胸腔鏡下手術が注目されている．