実負荷を含む小規模マイクログリッド試験設備の構築 - 建物の電力負荷計測と試験設備の概要

摘要

ベースロード運転にて商用系統に連系する分散型電源は、電圧や周波数維持等のアンシラリーサービスを商用系統に依存することになる。この解決策の一つとして分散型電源と商用系統との協調関係構築を目指す動きが、近年議論が始まった『マイクログリッド』である。このコンセプトでは、商用系統に頼らない独立電源システムの開発も視野に入っている。マイクログリッドや独立電源システムの実現のための重要なステップの一つとして、出力特性の異なる複数の分散型電源を統合制御することによる負荷追従制御が技術開発課題として浮上してくる。具体的には、有効電力の需給バランスを取ることが最初の重要課題である。我々は、清水建設㈱技術研究所の一つの寒験棟を対象にして、マイクログリッドの考えを取り入れた分散型電源の試験設備を構築し、上記課題に取り組hでいる。本稿では試験設備の計画、構築概要を報告する。