ピーニング処理したオーステナイトステンレス鋼のX 線ラインプロファイル解析を用いた微視組織評価

摘要

本研究ではラインプロファイル解析と呼ばれる，TEM観察と比べ比較的測定が容易で定量的な評価が可能なX線回折を用いた解析方法により，ピーニングにより生じる微視組織の変化，具体的には転位密度の定量的評価について述べる．ラインプロファイル解析 [1]は試料から得られる回折X線の幅拡がりが試料中の微視組織の影響を受けて変化することを利用し，この幅拡がりを解析することで転位密度に代表される微視組織の物理量を定量的に求める解析法である．またピーニング処理方法として広く用いられているショットピーニング（以下，SP）に加え，施工方式の違いによる微視組織の違いを比較するため原子力プラントなどで利用されているレーザーピーニング（以下，LP）により施工した供試材を用いた．