塗装槽内での車体移動を考慮した電着塗装膜厚および塗料使用量予測技術の開発

摘要

車体の防錆のために用いられている電着塗装では，車体内部など，構造部材が重なっている部分で膜厚が不足し，生産開始までに車体構造の変更などの対策が必要となる場合がある．構造の変更には膨大な工数が必要となるため，設計段階で電着塗装膜厚を予測する手法が開発され，実車の設計に広く適用されている．弊社では，現状適用している，車体の一部のみをモデル化し，塗装槽内の車体の移動を考慮しない簡易的な解析手法に加え，車体全体をモデル化し，塗装槽内の移動を忠実に再現して解析する手法の開発を行った．この手法により，車体全体の膜厚の予測とともに，塗装条件や設備の変更による膜厚への影響を解析することができる．さらに，車体全体を解析することにより，電着塗料の使用量を予測することが可能となった．