発光デバイスを指向した超音波ビーズミルによる赤色発光ペロブスカイトナノ結晶の作製とその光学特性評価

摘要

近年、第五世代移動通信システムの普及による遠隔医療の実現に向けて、医療用ディスプレイの視認性の向上が求められている。この視認性の向上を実現する発光材料として、現在、ペロブスカイトナノ結晶（PeNCs）が有望視されている。PeNCs は、高い発光量子収率・色純度等のこれまでの半導体ナノ結晶には無い優れた光学特性を有し、また、ハロゲン組成による可視光全域での精緻な発光波長制御も可能である。しかしながら、これまでに報告されてきたLARP法1)やホットインジェクション法2)等によるPeNCs の作製では、それぞれ、分散液中にPeNCs が可溶である極性溶媒を含む点や高温且つN_2 下での合成である点で課題を有し、PeNCs の実用的な作製手法は未確立である。