火炎核を利用した圧縮自着火燃焼制御方法の検討

摘要

地球温暖化やエネルギーセキュリティ等の地球規模の課題に対応するため，内燃機関の熱効率向上が求められている．パワートレイン別長期見通しでは，内燃機関搭載車のシェアは2030 年に91%，2040 年においても84%となっており，短・長期的に見ても高い．内燃機関の熱効率向上には，オットーサイクルの理論熱効率式から，希薄燃焼化と高圧縮比化が有効である．前者の燃焼形態として均質予混合圧縮自着火(Homogeneous Charge Compression Ignition，以下HCCI)燃焼が挙げられるが，着火時期と燃焼期間の制御が難しく，実用化に向けて制御性を高める必要がある．近年，炭化水素燃料混合気に対して，誘電体バリア放電プラズマを照射することにより着火を促進させた研究事例や，C-C およびC-H 結合を均等に開裂させた分解生成物を圧縮前混合気に与えると，自着火時期が変化することを計算解析により確認した研究事例が報告されている．