ブレーキノッチ選択による列車運行エネルギーの最小化

摘要

鉄道においては，近年，消費エネルギー削減に対するニーズが高まっている。そこで，全列車について，列車ダイヤの走行時分を遵守しつつ，列車運行エネルギーの総和を最小化する手法の構築を最終目的とした研究に取り組hでいる。本稿では，その最初のステップとして，各列車の出発から次の停車駅までの運転操縦方法を選択することで，列車運行エネルギーの最小化を目的に，数理最適化問題として定式化する。その際に，電力貯蔵装置の充放電時における吸収率も考慮する。ケーススタディでは，各列車の停車駅間ごとに，ある1つのブレーキノッチを選択可能とし，列車運行エネルギーの総和を最小化するブレーキノッチ選択を求めた。また，求めたブレーキノッチ選択と，全列車の全駅間で同じブレーキノッチを採用した場合との列車運行エネルギーを比較し，提案手法の妥当性を確認した。