事務所建築における吹抜け階段の加圧遮煙設計手法

摘要

近年では、特に本社や自社単独使用の事務所において、社内のコミュニケーションの誘発等を期待して、執務空間の中央に吹抜け状の開放性の高い階段を設ける計画が増えている。このような竪穴空間は火災時の煙伝播経路となりやすいが、加圧給気により確実な遮煙を確保できれば、避難者のアクセスしやすい避難路ともなりうる。本報ではこのような吹抜け階段の加圧遮煙を計画するための簡易式を提案する。階段加圧の給気量の算定法は平均差圧によるものが主流であるが、本報では、基礎的な数式の組み合わせによる、高さ方向の圧力分布を直接的に考慮しやすい計算法を示す。