木造３階建て学校の実大火災実験（準備実験）（その１０）内部の映像と微差圧計による計測

摘要

本報では木造3階建て学校（木三学）内部のビデオ映像と微差圧計で計測された防火戸を挟む区画間の圧力差に基づく火災性状の把握について報告する。既往研究の実験では、点火1分30秒後に1階昇降口の防火戸が少し開いたことが内部ビデオ映像により確認されている。そこで本実験では防火戸を挟む区画間の差圧を計測した。なお今回は、防火戸をすべて施錠した。微差圧計（表2）による計測は、各階の階段室と廊下の間および防火壁に設置された防火戸の近傍で行い、合計6系統で計測した（図1）。圧力測定用の銅管は外壁を貫通して床面から50mmの高さに動圧の影響を受けないように設置し、出火室側を微差圧計の正圧出力側に接続した。微差圧計は、測定点にできるだけ近くかつ実験に伴う熱や部材等の落下により破損しないよう、図1の矢印のように壁面から垂直方向に銅管を延長し、壁面から約12mの地中にアンプとともに埋設して、ケーブルを通じて観測小屋でアンプの出力を記録した。