木造3 階建て学校の実大火災実験（準備実験）（その8）実験全体の経過:観察記録

摘要

実大火災実験の経過全般に関して、主に目視観察及び屋内に設置したビデオ映像の観察を中心に建物内の延焼状況について報告する。建物の周囲に設けた5ヶ所のやぐら及び自由に移動する記録者による目視観察に加え、ビデオ撮影、写真撮影による記録を行った。また、屋内の様子を記録するため、出火室の2台を含め、合計13台のビデオカメラを配置し、モニター画面により観察した。クリブに点火後、約5分後に火炎は天井に到達するが、不燃化された内装には着火せず、局所的な燃焼が継続した。発生した煙は天井面から徐々に降下し、点火7分後頃より窓から煙が漏れ出し始め、出火室は煙で充満した。しかし、逆に火炎は小さくなったため、空気を供給するために17分後に窓を開放するものの、フラッシュオーバーには至らなかった。