耐火集成材の開発（その１８）スギ耐火集成材梁の耐火性能

摘要

筆者らはこれまでに難燃薬剤処理したスギ耐火集成材の開発を行い、柱や梁単体、柱梁接合部、柱壁取り合い部などで1時間耐火構造の性能を確認してきたたとえば。本報では、スギ耐火集成材の梁を対象とし、部材断面寸法や難燃処理層の取り付け方法、木造床が耐火性能に与える影響について確認するために実施した1時間の加熱実験結果について報告する。図1に各ケースの試験体断面および熱電対位置を、表1に試験体および実験条件を示す。試験体断面寸法はケース1,2が260mm×290mm（荷重支持部120mm×120mm）、ケース3,4が350mm×700mm（荷重支持部210mm×530mm）であり、上面にALC床パネルを取り付けている。ケース5,6の試験体断面寸法は350mm×435mm（荷重支持部210mm×350mm）で、上部に強化せっこうボードで被覆された1時間耐火仕様の木造床を取り付けている。難燃処理層は接着剤により荷重支持部に取り付けているが、ケース5のみネジによる取り付けとなっている。なお、ケース5,6は一体の梁に対して部材中央で範囲を分割し、難燃処理層の取り付け方法を変更することで2仕様とし、一度の実験で2ケースをまとめて実施している。難燃処理層や最外層化粧材の厚みは全ケース同じである。難燃薬剤注入方法やその他の仕様（集成材種類、強度等級、インサイジング孔密度、ラミナ樹種、難燃薬剤種類等）は既報と同一である。