高解像録音を用いたベルカント唱法による歌声の広帯域音響特性解析

摘要

プロの歌手の歌声を聴くと，初心者やアマチュアの歌とは明確に違いがあると感じる．もちろh，音程やリズムの正確さといった点でも違いを感じられるが，声質自体にプロとその他の歌い手で大きな違いがあるように感じられる．また，同じジャンルのプロの歌い手であっても，豊か，柔らかい，ハスキーなど，様々な異なる種類の声質が存在している．では，このような習熟度，発声，声質などによる違いは，歌声の中のどのような特性によるものなのだろうか．一方，歌声の研究は古くから行われているが，音楽では一般的には可聴域の成分のみに着目することが多い．しかし，歌声の中には可聴域外の周波数成分は全く含まれていないといえるのだろうか．プロとアマチュアの習熟度の違いが可聴域外の帯域に現れることはないのだろうか．