上海における建国直後の計画思想とその制度東アジア都市の近現代における住宅地形成と集合住宅に関する研究その3

摘要

新中国の成立前、急速に経済成長した経済都市上海は海外と中国の間に設けられたシルクロードといっても過言ではない。海外の文化、生活趣向だけでなく、建築技術と様式の影響が上海に開設した租界から全市の隅々まで広がていく。1949 年以後、中央政府は欧米諸国の資本主義のイデオロギーと一線を画したものの、上海の住宅地建設は戦前の街区計画・住宅計画に影響されたところが多い。戦前から活躍していた建築家は気候と伝統的居住文化を注目しながら、近隣住区論に基づいく新しい社会体制下の住宅地を計画してきた。