混住型学生寮の整備動向と共用空間の特徴について: 混住型学生寮の整備実態とその空間構成に関する研究　その１

摘要

本研究により、以下のことが明らかになった。1) これまで整備されてきた全国の混住型学生寮には3 つの居住方式のものがみられ、社会情勢や整備改正等に応じて採用される方式が大きく変化していること。2) 特に近年では様々な人数構成によるユニット型を採用する施設が多くなっており、それに伴い施設全体に占める共用空間の規模も大きくなっていること。3) 施設内における共用空間の計画については、施設規模が比較的小規模な場合は多様な空間構成が見られるが、4) 大規模化により中廊下型を採用する施設では、共用空間の基準階平面における分散と低層階への集中が起こること。5) これらの共用空間として、ダイニングキッチンや談話室・ランドリーの他、トイレやシャワールーム等の水周りが設けられるが、各施設で採用される空間構成上の制約に加え、当該施設の居住方式や各居室まわりの空間構成と密接なつながりをもって計画されていること