国指定文化財となったバウォマタルオ村等の保存をめぐる課題と展望: インドネシア・ニアス島伝統的集落に残る木造建造物保存の研究 その17

摘要

これまで筑波大学を中心とする調査チームは、インドネシア、スマトラ島北西沖のニアス島のバウォマタルオ（Bawomataluo）村にて継続的な調査を実施してきた。筆者は、通常は口伝される生活規範のアダット（慣習）が同村においては成文化され、またそれを尊重する形で、南ニアス県政府観光局により「南ニアスの文化遺産としてのバウォマタルオ慣習村の策定と保護」に関する県知事令が起草され、当該調査チームの意見も盛り込まれることになった経緯を明らかにしている。