左右の梁せいが異なるSFRC 十字形接合部構法の耐震性能に関する研究その２：実験結果

摘要

その2 ではSFRC 十字形柱梁接合部実験の復元力特性および損傷状況等の実験結果を示した。その結果，以下の知見を得た。1) 両試験体ともに接合部にせh断補強筋がなくても鋼繊維補強コンクリートを打設することで，左右の梁端部において梁主筋の引張降伏が確認され，層間変形角R=50×10-3rad の変形レベルにおいてもほとhど耐力低下が生じず，紡錘形の安定した復元力特性を示した。2) 試験体の最大耐力は，梁端部を危険断面と仮定した曲げ終局強度計算値で安全側に評価することを確認した。3) 接合部せh断ひび割れはR=10×10-3rad の除荷時においても最大で0.04mm であり，接合部せh断補強筋を省略しても鋼繊維補強コンクリートの効果により，最終サイクルまで接合部の損傷は軽微であった。