非集中時間を指標としたCO_2環境下の作業性および精神疲労とストレス評価

摘要

CO_2濃度基準値を1,000ppmとする現行法であるが、外気CO_2濃度の上昇に伴って基準濃度達成のための必要換気量が漸次増大する傾向にある。しかし、他の諸汚染物質の代替指標としてCO_2で基準値が設定されたに過ぎず、CO_2の人体影響を基に1,000ppmが設定されたわけではない。ゆえに、良好な室内空気環境維持と省エネルギーの両立には、人体影響のない範囲で外気濃度を基にしたCO_2の室内濃度基準にした方が合理的である。一方で、CO_2の人体影響のみならず、作業効率をはじめとした高度知的作業における諸処の悪影響にも考慮せねば、歴史が長い現行基準を超える場合がある許容濃度の提案に世論が動くとは考え難いことから、本研究では、高濃度CO_2環境下における高度知的作業の集中度の検証を行うこととした。